OLYMPUS DIGITAL CAMERA

廃番とパッケージ商品企画について

思い入れの強い飴が一つ消えます。このキャンデー、インバウンドといいますか外国のお客様を意識しながら、むしろ実は国内向けにこしらえた製品なのです。ワサビは外国人が好む日本のテイストの中でベスト5に入っています。また欧米ではハーブをミルクに溶かして飲む習慣があると菓子業界関係者から聞きおよび、ワサビは日本の立派なハーブだと勝手な認識からミルクと合わせて作ってみました。試作してみるとワサビとミルクの取り合わせは意外というか、結構いけてると思いましたし、試食した周りの評判も悪くなかったので本格的に取り組むことになりました。各方面に意見を聞いたところ大手スーパーのバイヤーから最初のインパクトが弱いなぁとのご意見いただき、それじゃあということで飴の表面にワサビの粉末香料をまぶしてみたところ、インパクト大幅上昇、いいんじゃないかい、ということになりまして飴玉自体は完成しました。 で、パッケージなんですけれども外国人が好みそうなエセ日本的なネオジャパンでいこうという事で富士山みたいな山にサムライは必須とデザイナーにお願いしたところ、いぐちさんというデザイナーさんですが遊び心満載で期待に応えてくれました。いや、刀ではなくワサビを振り上げようとか、このサムライは身長30センチのワサビの妖精で、その部族に伝わる秘伝のキャンデーがこのワサビ&ミルクという設定に相成りました。いかにも怪しげなニセモノ日本の手造り飴の決め手は「日本製」の赤いロゴ、このワンポイントが憎いなぁと自画自賛したものです。つっこみどころ満載なんですけどもご意見頂戴した大手スーパーでも採用が見送られ、他も採用がぱっとせずあんまり売れませなんだ。 海外の怪しい日本ぽい商品を逆輸入してきたという設定でもあるのですが、設定がややこしすぎたかもしれません。わざわざ説明文、原料、製造所、食品分析の表示も裏面の半分をさいて英訳もしております。この英訳は知り合いのつてで、イギリスの日本語を研究している大学教授にお願いすることができました。しかしまぁ残念ながら売れなかったので、第2弾の抹茶ミルク姫の企画もお流れです。売れたら30センチ等身大、サムライフィギァもこしらえてみたかったです。いや、残念。