いせきの飴づくり
「時代に流されず、自分たちの職に向き合い、しっかりとした品だけを造り続けたい」
こだわりの「地釜本造り」
当社は昭和20年に創業し、当時は菓子問屋「井関商店」としてスタートいたしました。昭和45年に菓子製造業に転向し、当時は瓦せんべい、ベビーカステラ、棒ジュースなどを造る傍らで飴の製造を行なっておりました。私が平成元年に入社してからは、徐々に飴の製造に重点を置き飴専業メーカーへと方向転換する事となりました。
私どもは飴造りに直径1m程の銅製の鍋を用い、時間をかけて材料を炊き上げていく製法をとっております。この製法をとることにより砂糖が焦げて、ほのかなカラメルのような苦みが生まれ、それが飴の旨みとなります。最近ではすっかり蒸気を利用した真空釜による製法が飴菓子業界の主流となってしまいました。安定した品質で大量生産に向く製法でもあり砂糖が焦げないので香料が有効に活かされます。しかしその製法からは、真に旨みを持ったおいしい飴が造れないと私共は考え、昔ながらの同鍋と直火による製法を守りつづけております。
私はこの「地釜本造り」(登録商標)こそが私共の持ち味なのだと確信し、昔ながらの手法を用い、数々の商品を生み出して参りました。当社のロングセラー商品「れんこん入りいせきのど飴」もその一つです。古くから伝わる、おじいちゃん、おばあちゃんの知恵を活かし、自然素材を飴に炊き込んだのど飴ですが、野菜の汁を絞り、飴に炊き込む手法は私共が初めて試みたものであります。神社の参道の土産物からスタートしたこの製品は、当時なかなかヒット商品に恵まれなかった当社を救ってくれた商品。私にとって、とても思い入れのある商品です。
おかげさまで平成21年に新しい工場を新設し移転させていただきました。今までの製法はそのままに品質管理をさらに徹底し、素材と製法にこだわった飴造りに磨きをかけるとともに安心で安全な飴・キャンデーを召し上がっていただけるよう業務に邁進させていただいております。
飴へのこだわり
飴は製品によって仕上げの温度も変わって参ります。当社の飴は直火で炊くことによって、砂糖が焦げてほのかな苦みが生まれ、飴の味に深みがでます。水飴と砂糖、素材の選択やその配合割合と仕上げの温度で飴の味が決まります。その絶妙なバランスが弊社飴造りの妙技です。
品質管理推進の為、新工場に移転して自動化を進めた部分もありますが、さまざまな工程で人の手をかける事に躊躇いはありません。手造りの良さを失う自動化ならばしない方がましだと考えております。なんとなく手の温もりを感じるような、それでいて安心して召し上がっていただけるそんな飴造りを心がけたいと思います。
また飴に入れる素材もこだわって選んでおります。平成間もない頃、こだわりの商品がまだ世の中になかった時代に、千葉産ピーナッツ、沖縄黒糖、宇治抹茶など厳選した産地の素材を使い、飴を造ることを始めました。厳選素材を伝統製法で仕上げた高い品質感を持つ飴を造りつづけた結果、徐々に私共の飴造りが認められるようになりました。
日常の中にあるヒントから生まれる新商品
その一方で様々な分野の会社と共同開発するなど、古い手法は守りながらも常に新しい道を開拓しつづけています。当社のロングセラー商品「熱中飴」もそのうちの一つ。堺市の建築会社から「飴で熱中症対策ができないか」と相談を受けて造られた商品です。その会社では、元々熱中症の対策として塩を置いて、水と一緒に摂取するように勧めていたそうですが、皆さんなかなか塩を舐めない。なんとか手軽においしく、熱中症対策ができないかと困っていたそうです。そこで弊社に相談があり一般に売られている塩飴より、しっかりと熱中症対策ができる塩分量を追求した熱中症対策キャンデーの開発が具体化いたしました。塩分と甘さと酸味のバランスも考えて試作を繰り返し、それを実際に現場で評価していただいた結果、塩は弊社通常塩飴に比べて10倍の分量を配合することになりました。そんな過程を経て、しっかりと塩分補給ができる日本で最初の熱中症対策のキャンデー「熱中飴」が完成いたしました。おかげさまでおいしく熱中症対策ができると好評をいただき工場や建築の現場、あらゆるスポーツシーンでご利用いただいております。
他にも販売現場の意見を具現化する「マドモアゼル・イセキ」シリーズや、沖縄の方から提案されたシークワサーの飴など沢山の方のお声を受け商品を開発しております。商品のアイデアは日常の中の何気ない会話や、目に触れるものから生まれることも多いのではないでしょうか。
私自身が商品開発に携わり小さなお鍋での試作品製造、パッケージデザインも行っています。全体のラフなデザインからですが、場合によっては自分や家内、また親族の書いた絵や書を採用する場合もありました。パッケージも業者任せにするのではなく、こだわりをもって弊社主導で制作しております。手造りの良さを残しながらも古さを感じさせない、長く愛される製品を作りたいとの思いからです。
ちゃんとした素材を用いて、ちゃんと飴を炊き上げ、ちゃんとした製品を造り続ける。私共は新しいものが生まれては消えていくそんな時代に流されず、自分たちの職にまじめに向き合い、しっかりとした品だけを造り続けたいと思っております。今後とも末永くご愛顧賜りますよう、よろしくお願いいたします。
井関食品株式会社
代表取締役社長 井関 優
いせきの飴 商品一覧
- 宇治抹茶飴
- 八重山黒糖飴
- 丹波大豆飴
- 千葉ピーナツ飴
- 柿渋入り甜茶のど飴
- れんこん入 せきのど飴
- だいこん入 かりんのど飴
- しょうが入 梅のど飴
- 業務用熱中飴
- 熱中飴
- 熱中飴II 梅塩
- 熱中飴III 夏みかん
- 甜茶柿渋入り はな飴
- ケベック メープルキャンディ
- 石垣島 塩の飴
- 蓮華はちみつ飴
- ピスタチオメープルキャンディ
- マヌカハニー のど飴
- いちごバターキャンディ
- 瀬戸内レモンキャンディ
- りんごバターキャンディ
- 南のシークァーサー飴
- 北のハスカップ飴
- 熱中対策 塩麦茶
- 辛 しょうが飴
- 熱中症タブレット レモン塩味
- 業務用熱中飴Ⅱ 梅塩
- 業務用熱中飴Ⅲ 夏みかん味
- 熱中飴Ⅰ・Ⅱ・Ⅲミックス 業務用
- 熱中飴タブレット 業務用
- 熱中飴Ⅱ 梅塩タブレット 業務用
- 熱中飴Ⅲ 夏みかんタブレット 業務用